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遮熱塗料の記事
当ブログにて4度にわたり遮熱塗料の実験を行なってまいりましたが、実は屋根や外壁に遮熱塗料を塗布する以外にもう一つ冷房効率を高める裏ワザがあります。
それは "エアコンの室外機に遮熱塗料を塗布する" というものです。
冷房の仕組みは、室内の熱をパイプを通して室外機に運び、そこで室外機内の熱交換器によって冷えた空気を室内に送っています。
参考 室外機
この時、室外機そのものは日光により熱を持っていると、設定された温度まで冷やすのに余分な電力を消費してしまいます。
そのため、特に日の当たる場所に設置してある室外機を、日光の熱から守ることが重要になってまいります。
よしずやすだれで日光を遮るというのも有効な手段でありますし、中には室外機に水をかけ続けることによって効率を上げる努力をなさっている方もおられます。
参考 室外機の冷却
しかしスペース的な問題により日除けを立てづらい場所にある場合や、水を出し続ける費用の問題、さらに水をかけ続けることによって室外機の故障を招く恐れもあります。
そこで、室外機を遮熱塗料で塗り替えてしまうという方法が浮上してまいります。
室外機そのものの温度を下げることによって、冷房効率を高め余計な電力消費を抑えることが可能になります!
そしてこの夏に弊社に遮熱塗料の塗り替えをご用命くださったお客様には、無料でエアコンの室外機を遮熱塗料で塗り替えさせていただきます!
屋根や外壁とともに室外機も遮熱にして、涼しい夏を過ごしましょう!
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株式会社ケンソー
専務取締役 石川 忠純
実験の結果が出揃いました。
結論としては、遮熱塗料は明確な効果があることが分かりました。
しかしそれにはいくつか条件があるようです。
最も効果が高いのは、遮熱塗料の白色(ここではクールホワイト)を塗った場合です。
同じ種類の遮熱塗料でも、色によって効果の違いが顕著に現れています。
これは色による 「日射反射率」 の違いが大きく影響しているのです。
日射反射率とは、要約すれば太陽光を反射する率ということになります。
サーモアイUVのカタログを見ると、クールホワイトの日射反射率は91.0%
ネオサファイヤブルーは43.0%です。
コロニアル用塗料として一般的な黒色(この場合はクールブラック)に至っては28.4%です。
この日射反射率の数値が高いほど、遮熱効果が高いことになります。
今回倉庫の屋根をクールホワイトで塗り替えたのは、最も効果の高い塗料だからです。
遮熱効果のみを考えた場合、白色で塗り替えれば相当な効果を得ることができます。
しかし、特に一般住宅においては意匠性も求められています。
よく用いられる黒系や茶系の色ですと、遮熱塗料を使っても日射反射率は30%程度まで落ちこんでしまいます。
これではせっかく遮熱塗料を塗ったとしても、あまり効果を感じることができないかもしれません。
ですので、一般住宅では意匠性に目を瞑り、クールホワイトで塗り替えるか、ホワイトには及ばずとも日射反射率60%~70%程度の高反射率の色を選んで頂けますと、より効果的であると思います。
また、あまり意匠性に拘らない塗装面、例えば工場や倉庫、事業所などの屋根を遮熱塗料のホワイトを塗布いたしますと、最大限の遮熱効果を得られることと思います。
いずれにいたしましても、酷暑を涼しく過ごす一助として、遮熱塗料は皆様のお役に立てるのは間違いないと思います。
熱中症予防に、また光熱費の大幅な節減のために、責任をもってお勧めいたします!
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株式会社 ケンソー
専務取締役 石川 忠純
さて、いよいよ実験の結果発表です。
施工前に撮影した日と同等な暑さの日を選ぶべきなのですが、ここに来てやや猛暑が収まってきてしまいました・・・
やきもきしながら暑い日を待ちましたが、本日(7月22日)の午後に、ほんの一瞬だけ急激な暑さが襲ってまいりましたので、この機を逃すまいと計測を行いました。
まずは外気温の測定です。
前回とほぼ同じ位置の日中昼日なたで測定いたしました。
39.3℃!前回よりも2℃ほど低いですが、こればっかりはお天気のことなので、こちらの都合どうりにはいってくれません。
しかし一般的には充分な猛暑日だと思われますので、このまま実験を継続いたしました。
そして前回同様に閉めきった倉庫の内部の測定へ。
なんと!36.7℃です!
外気温より2.5℃も低くなりました!
前回は室内の方が1℃も暑かったのですが、これは実質マイナス3.5℃と言ってもいいのではないでしょうか?
実際に倉庫内に入った瞬間に感じていた、めまいがするような猛烈な暑さは影をひそめ、「あ、涼しい」と感じるほどの効果でした。
では、実際に屋根に登って表面温度を測ってみましょう。
前回と同じ位置で計測した結果が、これです!
なななんと!36.0℃を示しています!
前回は60℃近い値を示していましたが、今回は体温と変わらない数値まで落ちていました!
一瞬間違って私の体温を測ってしまったのかと思いましたが、なんど測っても同じ数値を示しました。
北側の、わずかに日当たりが弱い場所ではこんな感じでした。
少し見づらいですが、数値は34.0℃になっています。
そして外気温はこの時点で40.2℃です。
遮熱塗料塗布前と比較したら、これはかなりの効果があると断言してもいいと思います。
単純比較はできないとはいえ、室内気温を冷房で3℃下げるには相当な電力を必要とするはずですが、遮熱塗料を塗布するだけでそれが実現できてしまうということです。
今回実験したような倉庫や事業所、工場等での遮熱効果は疑いようがないように思えます。
続いてコロニアル部材での測定結果です。
一般住宅の屋根材によく使用されている部材なので、こちらの実験結果も重要になってきます。
ただ、今回の測定を行う準備をしている間に、空模様が曇ってきてしまったため、今回の測定結果はあくまでも参考結果になるとは思います。
まずは、透明な下塗り材のみ塗布した、元の素地に近い部分の結果です。
こちらは45.2℃になっていました。
この数値がひとつの基準になると思います。
続いて遮熱ではない、水性シリコン樹脂の一般的な屋根材を塗布した場合です。
色は住宅の屋根に多いダークグレーを選択しました。
ちょっとピントが合ってませんが(汗)、44.8℃となっています。
やはり色が素地の黒よりも薄いのと、塗料のツヤによって少し低い値が出ているようです。
続いて、サーモアイUVのネオサファイヤブルーという、青系の遮熱塗料を塗布した面です。
ご覧のとおり、42.4℃になっています。
素地に比べれば3℃弱低くなっておりますが、これは胸を張って効果があったと言えるかというと、非常に微妙なところだと思います。
最後に、倉庫と同じクールホワイトを塗布した部分です。
こちらは36.8℃でした。
素地面に比べると-8.4℃となっており、曇ってしまった条件下ではかなりの効果が認められます。
ここまでくると、表面に手で触れただけでもその温度の違いがはっきりと分かるほどです。
青いネオサファイヤブルーの面と比べても、5.6℃も低い値でした。
同じサーモアイUVを塗布していながら、ここまでの差がでてしまいました。
これには塗料の色に関わる秘密があるのですが、これはその4にて解説したいと思います。
さて、いよいよ遮熱塗料の施工に入ります。
まずは屋根表面の高圧水洗です。
塗装面に付着した汚れをよく落としておかないと、塗料の密着性が下がり耐久年数が低下するので、とても大切な工程です。
汚れをよく洗い落としたら、次は錆止めプライマー塗布になります。
錆びている鋼板面がある場合には、その前に錆研磨作業(ケレン)を行いますが、この屋根は錆びてはいないのでプライマーを塗布します。
尚、赤く見えている部分は錆ではなく旧塗膜面です。
数年前に余った塗料で塗り替えたのですが、途中で塗料を使いきってしまったので残っていた場所です。
お恥ずかしい話ですが・・・
サーモアイの錆止めプライマーの色はホワイトです。
錆止めプライマーが塗り上がりました。
続いてサーモアイUVを2回塗り(中塗り・上塗り)いたします。
今回はサーモアイUVのクールホワイトという色で仕上げます。
いわゆる白色です。
中塗り状況です。
続いて上塗り状況なんですが、正直申し上げましてプライマー・中塗り・上塗りとも白色なので、写真で見ても状況が分かりづらいですね・・・(苦笑)
そうして屋根の塗り替えが完了いたしました。ピカピカで眩しいです。
・・・もう少しお天気が良ければもっと綺麗に写ってたはずなんですが。
まあ、とにかく弊社の倉庫の屋根は遮熱塗料で塗り替えられました。
今回は倉庫の屋根の他に、コロニアル屋根でも実験を行いました。
といっても、今現在塗り替え予定のコロニアル屋根がないので、懇意にさせていただいている瓦屋さんから廃棄予定のコロニアル部材を頂いてまいりました。
この部材を色分けして塗りました。
一枚目は左側をサーモアイUVクールホワイト、右側をサーモアイUVネオサファイヤブルーで
2枚目は左側は素地のまま(濡れ色をつける為に透明下塗り材のみ塗布)、右側を遮熱ではない一般の屋根用塗料の日本ペイント水性シリコンベストⅡの、ダークグレーを塗布致しました。
これで準備は完了しました。
後はまた暑い日を選んで温度の計測をするだけです。
その結果はその3にてご報告いたします。
皆さんこんにちは。
ケンソーの石川です。
今年の夏は例年にも増してとても暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
ニュース等を見ていると、連日熱中症で救急搬送される方がたくさんおられるようです。
中には室内でエアコンを作動していたにもかかわらず、熱中症にかかるケースもあるようです。
これは旧式のエアコンですと、40℃に近いような外気温では充分に冷却効果を発揮できないという理由もあるようです。
また、このように猛暑日が続くとエアコンの光熱費もかなり気になるところです。
そこで今回は、ここ数年注目を集めている「遮熱塗料」の実験を行いました。
実験に用いるのは弊社が長年使用しているこちらの倉庫です。
当日(7月18日)の外気温はこんな感じです。
尚、気象台発表の最高気温とはだいぶ乖離があります(笑)
日本一暑いことで知られる埼玉県熊谷市の隣り町にある弊社付近では、決して珍しくない数値です。
そして倉庫内の室温はというと
少々見づらい画像で申し訳ありませんが、なんと42.2℃を示しています!
室内に入った瞬間に、軽くめまいを覚える程の暑さです!
外の日なたの気温よりも高くなっています。(尚、実験のため窓や扉は閉めきった状態になっています。)
次にトタン屋根の表面の温度を測ります。
計測に使用したのは、このタイプの放射温度計です。
ハシゴをかけていざ灼熱の屋根の上へ。
身が焼かれるような暑さの中で計測した数値は
なんと!59.2℃!
50℃で3分間肌を接触させると低温火傷になるそうですが、これはそれをはるかに超える熱さです!
外気温をはるかに超える温度の屋根が乗っている訳ですから、先ほどの室内気温の高さも頷けます。
いかに倉庫とはいえ、これでは室内での短時間の作業でも、熱中症になってしまう恐れがあります。
これは一刻も早く対策を講じねば・・・
ということで、今回使用するのは「日本ペイント サーモアイUV」です。
さて、次回は実際の作業の様子をご紹介したいと思います。
その2へ続きます
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